060 神田・あかしや 【kanda・akashiya】
金雀・田中三浪がいい服を着て、いい酒場に行く「洒落酒」
神田4軒目
この町
ラストでござい
再び高架下方面に繰り出す
お目当ての店があるらしく
先頭を切る
で、
見つけたみたい
三浪がファンである
阪神タイガースのフラッグ
ご満悦だもの
タイガースファンが集う
タイガースを応援するお店
トラハイを入れてく
独り呑みをしてて
隣にいる人に話しかけられない
そんな人は多い
まあ、
静かに呑みたければ
それでいいんだけども
でも
やっぱ
人と話す夜は楽しい
向こうも独りなら
わかるでしょ?
自分もそう
皆さびしがりや
ここでは
好きなものが
底にあるものが
同じなのだから
乾杯の間合いに入ったなら
一緒に呑んで
アゲてくっしょ
お店の壁の
数々のレアな代物を
大将が説明してくれる
三浪が
アイフォンで切り取っていく
また再び出会う
かもしれない
最初で最後の出会い
かもしれない
過去に
いくつもの小さな町の夜が
瞳の潤いに
映って
瞬いて
消えていった
今夜もそう
酔い夜だった
ご満悦だもの
で、
〆る?
まだ呑み足りないっしょ
ってなって
高架下際をプラプラ
往生際の悪いのも
これまた吞兵衛の性
一間酒場 1丁目1番地さんに吸い込まれる
絞りきった後
握力の全てが奪われると言われている
生パイナップルサワ―
コイツで神田の夏の夜を〆る
さ、次へ行こうか
僕は阪神タイガースが好きだ。なぜかって?当たり前だからです。遺伝子に組み込まれてるから。両親が共にトラキチ。六甲おろしが子守唄で、黄色と黒のメガホンがおもちゃでした。夜は当たり前のようにサンテレビのナイター中継がついていて、朝は「おはようパーソナリティ道上洋三です」を聴きながら学校に行く支度をしていました(関西人以外誰がわかんねん)。いつの間にか当時弱かったタテジマのチームを応援し、その勝敗に一喜一憂しました。僕もやがて野球をはじめ、今岡誠という天才打者に本気で憧れました。僕の少年時代は常にタイガースと共にありました。大切な事はほとんど阪神から教わりました。阪神は親みたいなもんなんです。だから、阪神ファンは兄弟なんです。はじめましてであろうと、どれだけ年が離れていようと。甲子園では今岡のアクロバティックな流し打ちを、赤星のスピード感溢れる盗塁を、桧山の美しいホームランをさっきまで知らなかったもの同士が本気で喜び抱き合います。僕はこの日、神田にある甲子園で少し歳の離れた最高のお兄ちゃんたちと最高の酒を呑みました。今度は阪神戦がやってる日に行きますわ。喜び抱き合いましょう。
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文・編集:ヌマタリョウ Twitte