087 田町・鹿島屋 【tamachi・kashimaya】
金雀・田中三浪がいい服を着て、いい酒場に行く「洒落酒」
さて、前回 の終わりにチョイと次の店を予告しておりました
こちら
鹿島屋さん
イキフンがパねぇ
オーラがパねぇ
中には、間違いなく酒場の黒帯しかいないであろう
イン
瓶ビから開始
いいでしょ
この
キリンをサッポロのグラスで呑むスタイル
ボーダレス
フリーダム
世界平和がここにある
さっそくマミツを選ぶ
メニュー表は無い
いや、ある
しかし
漆黒
どういうことなんだ
劣化によるものなのか
黒く塗り潰したのか
まあ、いい
これが噂のっていう
煮込み串マストっしょ
マジで旨い
2種あって、
一方は、脂多めの腸
もう一方が、たぶんフワ
肺ね
だと思うんだよなぁ
しっかりトロトロに煮込まれている至高の一品
鍋ショット
中世ヨーロッパの吞兵衛に睨まれる
他にもカウンターには総菜が
とてもいい
居心地とてもいい
なんて話していると
ふと、店の電話が鳴った
おかあさん
まず、1本目を見送る
2本目、しぶしぶ出る
電話を切る
「予約なんてしてないよ」と
大きい独り言
また電話が鳴る
無視
再び鳴る
「うるさいねぇ」
と
もう一人のおかあさんが
「無理だね」と
団体で来ようとしていた客らしい
このおかあさんたち、姉妹らしい
強力な巨人ファン
なんといいますか
こういうお店
こういうお店というか
距離感が大切で
チラッと覗いて
「入れる?入れない!また来るわ」
なんですよ
顔を出すってのが大事
注文する時も
手すきのシーンを見極める
できなきゃ一生 白帯だぜ
三浪がトイレに立った
「トイレ借りますね」
オバチャン
「貸すだけだよ」
「持って帰んないっすわ」
「笑」
ナイスな距離間を持ったトーク
ごちそうさまでした
おかあさんたち
お体大事に
健康で
さ、次へ行こうか
昭和6年創業「鹿島屋」。かなりご高齢の姉妹が2代目として店に立っています(僕らが入店したときは座っていましたが)。以前池袋の「萬屋 松風」の控えめで優しいおかあさんを紹介したときに、酒場の所謂名物おかあさんというのはインパクトおかあさんであることが多いと言いましたが、この姉妹がそう。2人揃ってインパクトおかあさん。インパクト×インパクト。ここ50年のこの地での全ての出来事が刻みこまれた深いシワに、イメージ通りのしゃがれ声。手が空いていないときは店の電話にも出ません(最高)。こちらの呑兵衛レベルを試されているかのような緊張感。少し背筋が伸びます。それでもまったく嫌な感じがしないのは、ここが江戸っ子中の江戸っ子が住む町芝だからか。粋さが漂っているんでしょうね。関西人の僕はそう思います。インパクトおかあさんと粋と最強煮込みを味わいに是非。そういえば、今月号の「POPEYE」の東京特集で、東京におかんをつくるのもいいかもしれないと書いていました。この2人をおかんにしたら、無敵やろうなあ。だいぶムズイけど。
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文・編集:ヌマタリョウ Twitter