090 日本橋・お多幸 【nihonbashi・otakō】
金雀・田中三浪がいい服を着て、いい酒場に行く「洒落酒」
さ、
日本橋 2軒目にハシゴをかけよう
プラリと町を流していたら
おでん好きな三浪が
おでん屋の灯りに吸い込まれた
お多幸さん
おでん屋さんって
“ 多 ” が付く店名をよく見る
まあ、いい
インしよう
即
赤星
即
おでん
発注
はい
ドスン
見た目で旨いもの
なんなら
コイツぅ見ながら
一杯 呑っちゃう
おでんってさぁ
色んな具材が
協力しあって
自らの旨味を出し合い
助け合う
この豆腐って野郎は
吸うだけ
なんともズル賢いヤツだね
旨いから許すよ
もう一品マミツいっとこう
天豆 ( そらまめ )
空豆じゃぁない
天豆
もっと高けぇとこまでいけるらしい
おでんで呑りながら
お初の訪問
この町の事を
知ったような口で語る我ら
これがいいんだよ
例えば
酒場で語られるスポーツ
酔っ払いの数だけ
ルールがあって
酔っ払いの数だけ
監督がいるんだから
そんな事を話していたら
両隣の席が
「とうめし」
を発注
メシに豆腐をオンしたヤツ
まだこれからハシゴかけっぞ
って忠告を聞かず
両隣に挟まれた 三浪
オセロがひっくり返るがごとく
とうめしを発注
七味でチューンナップ
かっこんだ
まあ、盛りはそうでもないから
まだ、腹 余裕っしょ
そんなとこで
ごちそうさまっした
さ、次へ行こうか
この時期になると色んな雑誌が東京特集を組みます。いいですね。好きです。ワクワクします。東京はどんどん更新されていく。知り尽くすなんてことはあり得ない。最新の街だからこそ伝統的なものとのコントラストも美しい。この春で僕も東京歴10年目に突入しました。まだ大した事を成し遂げていないけれど、東京に来てよかった、これだけははっきり言えます。何がいいって、おもしろい場所、おもしろい人がダントツで多い。この洒落酒も東京だからこそ成せる技です。でも、1番は誰でも何かを期待したくなるそんな不思議な魅力がある事です。やりたい事がない人はとりあえず東京。それすらアリです。住むだけでも価値がある。あのテレビでしか見たことなかった渋谷ハチ公前で当たり前のように待ち合わせするんです。これだけで十分凄い。若者よ、いざ東京へ。そんな事を考えながら、今日も大好きな服を着て何かを期待しながら出かけます。
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文・編集:ヌマタリョウ Twitter